あつまれ どうぶつの森ヒットで思うこと

発売前から注目ソフトで、人気もあった「あつまれ どうぶつの森」。
世界的にCOVID-19が流行し、stay homeが叫ばれる中で発売日を迎え、記録的なヒットとなっています。パッケージ版ソフトは、発売日に店頭で入手できなかったり、生産拠点の中国がまっ先にCOVID-19の影響を受けた事で、元々生産が落ちていたSwich本体も軒並み売り切れ。COVID-19の影響が弱まってきて、生産が復活しても、発売から2ヵ月経った今でも、Swich本体シリーズは入手困難な状況が続く程の人気。

ということで、既に「あつまれ どうぶつの森」はシリーズ史上、プレイヤー数が一番多くなりました。私は、今までの「どうぶつの森」シリーズは、おいでよ どうぶつの森とびだせ どうぶつの森」、そして今回の「あつまれ どうぶつの森」しかプレイしていませんが、プレイヤーが多くなった事、そしてSNSの影響で、「あつまれ」は、今までの「どうぶつの森」とは、一般的な遊び方が変わっている様に感じることが多くなりました。

 

まず一番は、本体時間を弄る事で「どうぶつの森」自体の時間も進め、あっと言う間に色々と終わらせてしまう人の多さ。

発売後、数週間は特に攻略系の方で目立っていました。それは、ゲーム攻略という目的からしても当然やるだろうなぁと思っていた事だったので、驚きはありませんでした。しかし、今現在、普通にプレイしているだけのユーザーが、時間を早回しし、結果を早く出している人の多さに、まず驚きます。

私自身も、ライフスタイル上、ゲームをやれる時間が1日のうちで決まった時間帯しか出来ないため、常に時間を7~3時間ほど逆戻した状態でゲームをやっているので、時間を弄る事全てを否定する訳ではないのですが‥私の中では、時間を現在時刻より先に回す事はタブーに入っています。

しかし、今の「あつまれ」では、時間を早回しすることで短期間で多くのアイテムを入手したり、初っ端から住人を選別したりといったものが当たり前に行われていて、これが時代なのかと思いつつも、それは「どうぶつの森」なのだろうか、「どうぶつの森」でなくてはいけないのだろうか、と思う意見も見る事が多くなりました。

例えば、「住人に、自分が着るのをやめろと言った服は、二度と着させない。住人の家の内装を自分好みに出来るように、機能を実装して欲しい」「住人を全員自分好みの住人にするために、50年以上かかった」といったものを見た時とかですね。

 

どうぶつの森」というゲームの面白さの一つが、住人とのふれあいです。初対面で、「えっ‥」って思う様な外見のどうぶつが、日々会話をしていく内に、可愛いところを見せてくれたり、意外な面を見せてくれたりして、親近感が湧いていったり‥結局、そんな住人とも自分のやりたい事との折り合いで別れたりする事もあるけれど、次に別の新しい住人と出会う喜びもある‥そういう色々な住人とのふれあいが「どうぶつの森」の特徴だと思っていました。

勿論、私にも過去作で出会った住人の中にお気に入りがいますし、その住人には島に来て欲しい!と願っていました(幸運にも、初めて離島に行った時、その住人が居たので、苦労なく島に来て貰えたのですが)。なので、そういう特定の住人を求める人が居るのは理解しています。

しかし、今Twitterで普通に見られるのは、「可愛い」「格好いい」と皆に言われる一部住人達を、自分の島に呼ぶ為の選別。ジャック、ちゃちゃまるは、本当に酷いですね。2人とも今作からの住人なので、完全にSNSからの情報で人気が爆発して、加熱したとしか思えない。

色々な住人に会って、そこからお気に入りが決まるのではなく、最初にお気に入りの住人を決めて、その住人が出るまでガチャを繰り返す‥という風潮に、一縷の悲しさを感じてしまいます。あなたが「またハズレだよ」と言った、その住人。その住人にも個性があって、可愛いし、楽しい生活があるのに‥と。

 

あとは、住人をプレイヤーの思い通りにさせようと希望する、その姿勢。まぁ、これは今の世情を表している感じもあって、「あつまれ」だけではなく、リアルのあちこちで感じる事でもあるのですが。ゲームという事で、そういった意見がハッキリと出て来ているだけという感じもします。「あつまれ」で、クラフト要素が追加されたことで、「マインクラフト」的要素が追加され、プレイヤーが生活する島は自分の島‥という感覚が強くなったせいもあるかもしれません。

でも、「あつまれ」でもプレイヤーは、あくまでも「島民代表」であり、支配者ではない。住人達は住人の思うように動く。自分とは違う基準で動く相手だからこそ、自分があげたプレゼントの服を気に入ってくれて、頻繁に着てくれたり、自分があげた家具を部屋に飾ってくれたりしたら嬉しいのではないですか?そこまでプレイヤーの思い通りに出来るようにする事が、「どうぶつの森」にとって良い事だとは私には思えません。それは、そういう事も出来る別のゲームを求めるべきではないでしょうか。

 

「あつまれ どうぶつの森」は発売されてから、もうすぐ2ヵ月です。過去作のペースからすると、まだ2ヵ月です。最低でも、1年はプレイしないとコンプリート出来ない図鑑。「あつまれ」では、コンプしている人沢山いますよね。

先月実装された、つねきち。普通にプレイしていれば、未だつねきちが来てくれた回数は数回しかなく、買えた物も数個の筈。実際には、つねきちの商品をコンプリートしている人も沢山。

年間のイベントもそうで、季節のレシピとかも全部貰ってしまっている人も沢山。

過去作も、そういう人達は居ました。居ましたが、大半の一般勢は、こつこつ毎日少しずつゲームを進め、お休みしても「今日は釣りイベントの日だぞー」ってなったら、ゲームの電源を入れて盛り上がる。そんな風に、「どうぶつの森」での生活を休んでも、何時でも戻って来れて、住人は変わらず暖かく迎えてくれる‥それが「どうぶつの森」ではなかったか‥

今、一般的になってしまっているプレイ方法は、ゲーム寿命を短くさせているので、正直、今は凄いブームになっていますが、飽きられるのも早いと思っています。そして、飽きられた後は、「すぐ飽きちゃうゲーム」という印象が広く広まってしまうのではないかと恐れています。それは、今後のシリーズに関わってくるので‥私は、「どうぶつの森」がすきなので、そうならない事を祈っていますが‥

取りあえず、リセットさんの叱り声が恋しいです。